ICソケット・技術情報
ICソケットの表面実装方式の 端子形状、PKG種類や型について解説
2024.09.27
ICソケットとは、ICの電気的特性確認や信頼性評価を行うことを目的とした、ICとプリント基板を電気的に接続するためのツールです。多数のICの特性評価を繰り返し行えるよう、抜き差しが可能な仕様となっています。
ICソケットの実装方式は表面実装と挿入実装の2種類に分けられますが、今回は表面実装の形状や種類について解説します。
ICソケットの端子形状ごとのPKG種類の紹介
ICソケットの表面実装とは、電子部品を基板の表面に直接取り付ける方法で、ICチップをはんだ付けせずに基盤に接続するためのインターフェースとして機能します。表面実装方式を利用することでICソケットの交換が容易になり、施策や修理、メンテナンスの効率が向上するメリットがあります。高密度実装が可能で現代の小型化、高性能化が進む電子部品に広く利用されている実装方式になります。
そして、表面実装のICソケットの端子形状は2側面、4側面、格子状に分類されます。
次に、各端子形状と該当するPKG種類・分類される型の紹介をします。
2側面端子
2側面端子とは、パッケージの2側面から端子(リード)が出ている端子形状になります。
以下に該当するPKG種類をご紹介します。
2側面端子のPKG種類:SOP (Small Outline Package)
2側面端子のパッケージのひとつであるSOPは、ガルウィング型のリードの形状を持つ小型軽量型のパッケージになります。
SOPの利点は、大量生産されているため低コストで提供できるだけでなく、比較的頑丈な構造を持っており、リード部分が弾性変形になっているので振動や衝撃に対する耐性があります。
4側面端子
4側面端子とは、パッケージの4側面から端子(リード)が出ている端子形状になります。
以下に該当するPKG種類をご紹介します。
4側面端子のPKG種類:QFP (Quad Flat Package)
QFPは、平らで薄い平面型のパッケージであり、ガルウィング型のリードを持っています。各側面にリードが均等に配置されているため、インダクタンスが低く、放熱性能が向上します。これにより、QFPは車載用機器や通信機器に適しています。さらに、はんだ付けの目視検査が可能であり、検査がしやすいため、信頼性が高いという利点もあります。
4側面端子のPKG種類:QFN (Quad Flat Non-leaded package)
QFNは端子(リード)がパッケージの側面に出てないぶん短いため小型、電極パッドが端子として基盤と接続されます。中央に露出した熱放散用の大パッドがあることで熱放散を助けることができます。非常に小型で軽量なパッケージのため、携帯機器やポータブルデバイスに適しています。
格子状端子
格子状端子とはパッケージの底面に端子が格子状に配置された形式です。この形式はパッケージの全体的な接触点を増やし、電気的接続と機械的強度を向上させます。
格子状端子のPKG種類:LGA (Land Grid Array)
LGAは、パッケージの底面に平らなランドパッドが格子状に配置されています。これらのパッドはソケットや基板上の対応する接触点に接続することで高密度実装が可能です。パッドとソケットの接触面積が大きく、接触不良を起こしにくいので信頼性が高いPKGになります。
格子状端子のPKG種類:BGA (Ball Grid Array)
BGAはパッケージの底面にボール状のはんだが格子状に配置されたパッケージになっております。BGAは薄型でコンパクトな設計であり、パッケージの周囲にリードが出ていないため、小型化が可能であり高密度に端子を配置することができます。これにより高速な信号伝送と安定した機械的強度を提供することが可能です。
オープントップ型 クラムシェル型
2つのソケットの種類について紹介
さらに上記で紹介した各PKG用のソケットはオープントップ型とクラムシェル型の二つの型に分類することができます。
オープントップ型はソケットの上部が開いておりICを上から簡単に挿入および取り外しができる構造であり、視覚的にICの挿入状態を確認できるため操作の正確性が高いソケットになります。
クラムシェル型とは二枚貝のように上下で開閉しロックできる仕組みになっており、ICを強固に固定できることで高い信号品質と振動や衝撃に対しても安定した接続を提供できます。このような利点からクラムシェル型ソケットは特定のICの動作や接続に関する問題を特定する際に使用されます。
当社のソリューションの紹介
QFP/SOPグランドピン付きオープントップソケット
こちらのソケットはQFP/SOPグランドピン付きオープントップソケットという製品で、
特徴として挟み込み構造による安定した接触性能を持つ2ポイントオープントップソケットにグランドピンを取り付けていることが挙げられます。このグランドピンは、馬蹄ピンを用いた導通検査用と、放熱ピンを用いたPKGの発熱防止用を準備しております。
オープントップBGA挟み込みソケット
このソケットは、挟み込みオープントップBGAソケットというものです。
挟み込み構造をとることで、安定した接触が可能となります。
さらに挟み込み構造のメリットとしてははんだボールへの傷跡が小さいため実装への影響が軽減されます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はICソケットの実装方式、形状、PKG種類についてご紹介しました。
ICソケット・ソリューション.comを運営する(株)エンプラス半導体機器は、バーンインソケット・テストソケットにおけるトップメーカーです。ICソケットのお困りごとはエンプラスまでご連絡ください!
同じカテゴリーのICソケット・技術情報
-
2024.09.27
ICソケットの表面実装方式の 端子形状、PKG種類や型について解説
-
2024.08.27
温度サイクル試験 TCT (Temperature Cycling Test)の 特徴について解説
-
2024.07.1
高温高湿バイアス試験THB(temperature humidity bias)の 特徴と仕組みについて解説
-
2024.07.1
高加速寿命試験 HAST(High Accelerated Stress Test)の特徴と仕組みについて解説
-
2023.03.15
ハイパワー・高電流・高周波対応 最新ソリューションのご紹介