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温度サイクル試験 TCT (Temperature Cycling Test)の 特徴について解説

2024.08.27

温度サイクル試験とは

温度サイクル試験とは、電子部品の信頼性試験の1種であり、外部環境や自己発熱により実際の過酷な使用環境を想定して、急激かつ極端な温度変化を与え、膨張と収縮のストレスを繰り返すことで製品の寿命やはがれ、亀裂、などの疲労的欠陥の発見を検証する試験です。
JIS規格としては、温度変化を繰り返すJIS C 60068-2-14、車載用電子機器の環境試験に使われるISO 16750-4などがあります。

温度サイクル試験の特徴について

1.高温・低温下でのテスト

一般的に温度サイクル試験では約-40℃から+ 125℃までの温度範囲で一定の速度で製品に負荷をかける事で、実際の使用環境でかかるストレスをシミュレーションすることができます。

2.一定のサイクルで試験を実施

試験内の温度の上降と下降を1サイクルとし、これを数十から数百回繰り返すことで製品が様々な環境下で正常に作動できるかを短時間で確認することが可能です。

3.熱応力の評価

半導体などの電子部品を構成する金属、シリコンや樹脂素材などは温度変化によって伸び縮みをします。この伸びの量は素材によって異なり、結合された材料の間で伸びの違いによって内部に熱応力が発生します。この応力が蓄積されることでクラックや接合部の剥離などの故障を温度サイクル試験で確認できます。

4.専用の試験装置

温度サイクル試験では急速温度変化チャンバー、恒温恒湿試験機などが使用され、チャンバ―内で精密な温度管理をすることができます。急激な温度変化から緩やかな一般的環境下に近い温度設定も可能なため、正確にストレス負荷のシミュレーションを行うことが可能です。

 

温度サイクル試験と熱衝撃試験との違いについて

ここで混同されがちな、温度サイクル試験と熱衝撃試験の具体的な違いについてご紹介します。
温度サイクル試験と熱衝撃試験は双方高温と低温の温度差を加えることで、製品の温度変化に対する耐久性を確認する試験ですが、最大の違いは温度変化の速度の違いです。

温度サイクル試験の温度変化は比較的緩やかであり、設定された温度範囲(約-40℃から+125℃)を一定の速度で上下します。しかし、使用される環境や部品によって温度範囲や温度の変化速度は変わります。例えば、電子部品は-40℃から125℃の温度範囲で5度/分の速度で温度が変化しますが、より過酷な環境で使用される事が予想される自動車部品は-40℃から85℃または105℃の温度範囲で10℃/分と早いペースで温度変化を行い試験を行います。

一方熱衝撃試験は、温度変化がさらに急激に行われ、試験対象を数秒から数十秒という短時間で極端な温度変化(約-55℃から+150℃)にさらして試験を行います。この試験では、クラック、乖離、変形など急激な温度変化による瞬間的な欠陥に対する耐性を確認することが可能です。

まとめ

温度サイクル試験は電子部品、デバイスの信頼性試験において重要な役割を果たしています。ICの電気的特性や信頼性評価を行うためのICソケットを扱う当社では世界の半導体トップメーカーの同行を見据えた、最先端ソリューションをご提供します。ICソケットのお困りごとはエンプラスまでご連絡ください!

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