ICソケット・技術情報
ICソケットにおける大電流課題とその対策
2022.02.8
1.大電流のニーズ
近年では自動車電動化の進展や環境に配慮した省エネ・省電力化の推進を背景に、インバーター回路などに使用されるパワーデバイスの需要が高まっています。
パワーデバイスに求められる性能も上がり、それに伴いICソケットにおいては以前よりも大きい電流に耐えられる性能が求められるようになっています。
ICソケットが大電流に対応していないとコンタクトピンが溶けて壊れてしまいます。
また、大電流が流れることでパッケージの温度が上がるため熱暴走をしないようにヒートシンクの要求も出てきます。
このように現在のICソケットでは、自動車の電動化により大きい電流に耐えられるソケットが求められるようになり、大電流対策の重要度が増しております。
2.ICソケットの大電流対策
ICソケットにおける大電流対策としては、より多くのコンタクトピンを接触させるという対策があげられます。
また、ピン自体も大電流に耐えられるという条件が必要となります。
当社では、お客様のご要望に応じて最適なピン配列を検討しパッケージ形状に対応したソケットをご用意致します。
また、金型のプレスの技術やノウハウもございますので、量産の対応も可能です。
3.当社の発熱対策ソリューションのご紹介
上記のように近年では、ICソケットの大電流に関する課題が顕著に表れてきています。
ICソケットの大電流対策としてICソケットソリューション.comでは、下記のソリューションをご用意しております。
こちらはパワーデバイスのチップテストに対応するソリューションです。
コンタクトピン先端を4点突起として安定した接触性を実現しております。
コンタクトピン配置は、PKGのPAD配置や、要求耐電流に合わせて0.4mmまたは0.35mmピッチを選択可能です。
コンタクトモジュールでの交換が可能なため、現場で簡単に交換する事ができます。
信号用のPADには従来のプローブピンを接触させ、
高電流が要求されるPADに対しては許容電流の大きなピンを接触させるなど、
1つのモジュール内で異なった特性を持つプローブピンを組合せる事も可能です。
LGA等の面実装のパワーデバイスに使用されることの多い製品となります。
大電流PADに安定した接触を実現し、次世代IGBT 1200Aへの対応も可能です。
弊社ではセンサやパワーデバイスの多様で特殊なPKGにもフレキシブルに対応可能です。
これまでの数多くの対応実績を基に、蓄積されたソケット開発技術を駆使して、様々な形状のPKGに最適化した新たなOpen Topソケットを設計します。
各リードに複数ピンを接触させることで、より高電流へ対応できるようにカスタマイズ可能です。
高出力で大電流のデバイスをご利用の方には本製品をお勧めいたします
ケルビン接触によって高耐電流のご要求に対応するソリューションです。
表面圧接方式のためソケット交換も容易で量産テスト用に最適な製品となっております。
コンタクトモジュール単位での交換と1ピン単位での交換が可能で量産ラインでのソケットランニングコストを削減します。
また、高度なプレス加工の技術と長年蓄積されたノウハウで実現したコンタクトピンはマイクロワイピングによる安定した接触性とリードへのダメージ低減を両立しております。
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