ICソケット・技術情報
ICソケットにおける発熱課題とその対策
2022.01.18
1.ICソケットにおける発熱課題
近年では、クラウドサービス・自動運転・IoT等の進展によって半導体が高機能化しています。
この半導体の高機能化に伴い、ICソケットにおいて製造プロセスの微細化・ピン数増大が進んでいる状況です。
その結果、消費電力と発熱量が右肩上がりとなっており、デバイスの評価測定・出荷検査において発熱量のばらつきや熱暴走が大きな課題となっております。
このように現在のICソケットでは半導体の高機能化により発熱や熱暴走の課題が顕著になり、発熱対策の重要度は増しています。
2.発熱対策を検討するための手段
発熱対策を検討するにあたっては、最適な形状・構造をとることが重要になります。当社では、最適な形状・構造を実現するために綿密な熱解析を行っております。例えば、ヒートシンクの形状を決定する際にこの熱解析技術が使用されます。
解析技術については、一般的には解析ソフトとお客様に頂いたパラメータに依存するため必ずしも正確なデータを取得できるとは言えません。ただ、当社においてはあらゆる業界のお客様に対し年間数百件の熱解析をおこなっているため取得したデータの相関を取るための知見やノウハウがあります。
上記の知見やノウハウにより、正確な熱解析をできるということが、当社の発熱対策が多くのお客様よりご好評いただいている理由の一つとなっております。
3.当社の発熱対策ソリューションのご紹介
上記のように近年では、ICソケットの発熱に関する課題が顕著に表れてきています。
熱暴走・発熱に対する対策としてICソケットソリューション.comでは、下記のソリューションをご用意しております。
個別温度コントロールシステムを搭載することにより、
Tc(デバイス表面温度)制御が可能となり、一般的なバーンイン装置より高精度の温度制御を実現しております。
クーリングファンによるデバイスの発熱の抑制が可能です。
導入費用もバーンイン装置に比べ安価なため量産時にご提案させていただくことが多いソリューションです。
また、設計者様向けの簡易的な評価システムとしてもご使用いただけます。
PKGが必要以上に熱を持たないようにするためにヒートシンクを搭載することにより、
温度上昇を抑えることができ、熱暴走の対策が可能となります。
主に消費電力が大きい、携帯のプロセッサやサーバー等のデバイスやパワー半導体対して使用されます。
温度上昇により蒸発したパイプ内の水分が、毛細構造を通り冷却され循環する
ヒートパイプを搭載することによりパッケージを効率的に放熱させ温度上昇を抑え熱暴走の対策を実現しております。
こちらのヒートパイプはヒートシンクより高い放熱性能をもつため、
より熱対策が必要な製品にご提案させて頂くことが多いソリューションです。
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