ICソケット・技術情報
ICソケットにおける高周波課題とその対策
2022.04.13
1.高周波のニーズ
近年、半導体分野における高周波技術の重要性が高まっております。
最近よく耳にするIoTや5G通信のような、高速かつ大きな容量の通信にはこれまで以上の高周波で動作する通信用半導体が欠かせません。
DXシフトやクラウド化の進展によりサーバー・クライアント共にCPU/GPU/SoCには高い処理能力が要求されており、それに伴いコア数は増え、動作周波数も向上しております。
自動車の分野ではEV化・自動運転化が進んでいますが、車載レーダーに使用されるデバイスは80GHzと非常に高い周波数で動作します。
そして、こうした高周波で動作する半導体を評価・検査するICソケットにも高周波に対応する能力が求められます。
2.ICソケットの高周波対策
ICソケットにおける高周波対応としては、コンタクトピンの長さを極力短くするといった対応があげられます。
また、より高い周波数帯ではインピーダンスマッチングを取る事が重要となります。
当社では、電磁界解析を用いて最適な高周波特性が得られるピン形状を、ハウジングを含めてご提案させて頂きます。
電磁界解析は、お客様指定の材料、ピン配置に合わせて実施いたしますので、より実機に近い結果を事前に確認する事が可能です。
3.当社の高周波ソリューションのご紹介
上記のように近年では、ICソケットへの高周波特性要求は高まっています。
ICソケットの高周波対応としてICソケットソリューション.comでは、下記のソリューションをご用意しております。
通常のピン長:3.0mmを超える比べ、全長:1.5mmまで短くしたことにより、良好な高周波特性を得ることができました。
ピン長は短くなりますが、ストローク量を大きく取ることで、テスト機器の縦方向の誤差を吸収し、安定した接触を実現しています。
30GHzでS11 = -10dB , S21 = -1dBを実現しており、従来の製品では測定ができなかった30GHzの信号も測定が可能となります。
同軸構造にする事でインピーダンスマッチングを実現し、良好な高周波特性を得ることができました。
また金属ハウジングをシールドとして利用する事で、良好なクロストーク性能を得る事もできます。
40GHzを超える周波数でも、S11 = -10dB , S21 = -1dBの良好な高周波特性を実現しており、クロストークについても-50dBと高い特性となっております。
無線通信規格向け等の周波数帯で、コストを抑えたプローブピンとなります。
コスト低減を図りながらも、従来製品同等の性能(20万サイクルの耐久性、接触抵抗の安定性)を確保しております。
ロングストローク設定により、大型のPKGの反りにも強く安定した接触を実現しております。
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